はひー

前編『発進編』、といったかんじかしら
うん、そのうち後編
判子を押された教習生証を鞄にしまいつつ、駐車場を目指す
炎天下の下、先ほどまでフルフェイスメットをかぶって一時間、
なれないCBの操作に四苦八苦
く・そ・あ・ち・い
家を出るときしっかりと立てた髪はぐったり、
服もわき腹を中心に不快な汗でぐっしょり濡れていた
こんなことを後20回以上……
だんだんと涼しくなってくるとはいえ、残暑厳しい九月期に予定を入れるとなると
8回以上は今回のような状態になることが予想される
暑さに弱いモヤシガイの自分には非常に辛い
それに今回も教官に注意を受けた、前回、前々回と同じ事で
ちょっぴりブルー
駐車場のゴリラに近寄り、ハンドルロックを解除、先ほどまで被っていたメットを被る
ヒヤリ、とした感触
たっぷりと水気を吸い込んだメットの綿は短い時間にも外気でしっかりと冷やされている
しかしその水気は汗、同時に自らの体から出されたものとはいえ不快な臭いを鼻先に直接あててくる
おもわず体がくらり、倒れそうになる車体を左足で支え、キーを差し込み、右へ
右側にあるスターターをだし右足で一気に踏み込み、アクセルを回す
とたん弾かれる右足
……タイミングが悪かったか
スクーター派の人々には分かるまいが、ギア車というのはとかく発進が難しい
はやくアクセルを回せばエンジンがかからないし、
今回のように踏み込みより遅く回すとこのように足が弾かれてしまうのだ
ギア車を動かす愛の第一関門である、もちろんこの後二つの関門がある
こんなとき無性にスクーターをけり倒したくなるのは仕方のないことだと思う