鉄球王エミリー

堂々完結ッ!

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鉄球姫エミリーは失われていくモノの物語だ。
主人公エミリーは比類なき豪腕を持つものの、さらなる大きな力―陰謀やら歴史の流れやら―の前に、守ろうとした大切なものを奪い去られる。
ソレに嘆き、"もう二度と"と立ち上がり、鉄球を振り回す。
それが4巻までのエミリー、だった。
 
嘆き悲しむ時間は終わった!
これまでの話は全て今作のための前振りだったと断言できる。
国家存亡を賭けた決戦、今までに失われたもの、敵も味方も全て背負ってエミリーが突き進む。
重い展開と、ソレに続く圧倒的な勢いはシリーズ最高潮。
1〜5巻ひっくるめて一つの物語だったといえるかも。
それもこれも無駄のなさの為せる業、延命措置を施されたラノベにありがちなわりかしどうでもいい挿話がまったくないため、伏線も人物も展開も、全てが必要とされた最高の最終巻だった。
 
一巻のネタが再登場したのは嬉しいサービス。なくてもきっと話は進んだろうけど、ここで挟んでくれたことで、"全てを必要とした"って言うことが出来た。
 
鉄球の活躍の場が最後の最後って酷いwタイトルにも入っているのにw
粉砕されたり鎖を切られたりして役に立たなかったからナァ。やっぱり見栄えが悪かったんだろうか。
 
マイベストラノベ5本指に追加。
無駄のない展開で面白い作品といえばあざの耕平の『Dクラッカーズ』こちらも是非。