少女には向かない職業

「あたしたち、人を殺したの。殺人者なの。お願い、あたしたちを捕まえて」

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

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『砂糖菓子〜』より衝撃はなかったものの、十分に楽しめました
確かにツンデレ小説でしたね
　
『砂糖菓子〜』と同じく中学生が戦う話
前回は外からの重圧でしたが、今回は家庭環境+友達関係
そして重圧から逃避するため起こした殺人による罪の意識という包囲状態
殺人に対する罪の意識を持っているのに少女はなぜ二人目に挑むのか
『砂糖菓子〜』が耐え切れなかった少女の話ならこちらは耐えられなかった少女の話
　
終盤の関係の逆転や、あれ？違うかもと思わせといてああ、やっぱりといった具合に読者のキャラへの印象をリードしていくのはうまい
思春期の女子と男子の認識の違いによるドロドロとした人間関係も面白かった
葵の母親への想いは切実、警察官のおじさんの言葉には胸を打たれるものがあります
ふたつの想いがつながっていれば二つ目の事件は起こらなかったのかも知れませんが……するとこんどは彼女が死んでしまうのか、最初の軽い悪意からすべては狂っていた、ということ
　
余談ですが作中で主人公達が鎌倉に行った際たちよった土産物屋、どう見ても大仏前の山海堂www