秘太刀 馬の骨

秘太刀馬の骨 (文春文庫)

秘太刀馬の骨 (文春文庫)

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北国の小藩にて、かつて暗殺に使われた秘太刀『馬の骨』の遣い手を探す命を受けた浅沼半十郎とその使命の行き着く先を描く
 
武士ってサラリーマンなんだなと、定時に出勤して定時に帰って同僚から愚痴られるわ家に帰れば家庭内の不和に悩まされ、そのうえ上司の甥のボンボンの横暴に胃をいためたり、多少脚色されたものがあるとはいえ、まるきり嘘っぱちってわけでもないでしょう、人間って変わらないんですね
秘太刀の使い手と目される6人の剣豪は頑なに私闘を拒絶するのですが
彼らを戦いに引きずり込む策謀、そのとっかりとなる個々人のドラマが楽しめる、まーほとんど女がらみなんですけど、このへんも現代と変わらず
 
なおこの小説は江戸時代を舞台とした推理小説という面もあるらしい、明確な犯人=遣い手は探偵=浅沼が推測したきりで確定していないし、雑誌連載分と単行本とで推測される人物が違うという細工もしてあるとのこと