[感想}ララピポ

ララピポ

ララピポ

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性欲に突き動かされる人々のすさんだ日常を可笑しく悲しく描いた群像劇、あるフリーライターの話から始まり、彼の隣人のホスト、彼にスカウトされたAV女優、その近くに住むフリーターと物語はつながって語られていく、登場人物が皆アホのようにセックスを求める中、最終章はそれを利用する人物で締め、それがまた意外な人物であるのが面白い、タイトルの『ララピポ』は『Lot of Peaple』がこう聞こえることから
また各編の主人公たちの事もさす、特別な人間でない、有象無象と人括りにされてしまう人々のこと
 
性欲が登場人物の行動動機であるため当然エロい、そしてそれ以上に怠惰な主人公達が動けば動くほどどうしようもない状況に追い込まれていく展開がエグい
 
熟女物AV女優の話が、生々しくて凄く嫌な感じがした
食欲、性欲、睡眠欲といった三大欲求は生きるための本能に根ざしたものであるから、生々しく、物語が盛り上がるほどに激しくなってくるのは仕方の無いことなんだが、ヤギ対ロシア女とか……この辺の趣味は分からない
この嫌な感じは筒井康隆アナーキーレストランにも似たようなものを感じた、読む本は選びたいと思う、あまりお勧めは出来ない
 
で、精神科医伊良部シリーズの続きは出ないの?