柳生薔薇剣

柳生薔薇剣

柳生薔薇剣

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時は徳川家光の治世、その年日本へやってきた朝鮮通信使は幕府に告げる
朝鮮侵略によって日本に渡った朝鮮人を帰還させよ』、多くの朝鮮人が祖国へ帰る中
すでに日本で所帯を持つ女・うねは朝鮮へ帰るまいと縁切り寺・東慶寺へ駆け込む
うねに迫る朝鮮の追っ手、うねの身柄を守るべく柳生宗矩が送り出した柳生真陰流の使い手は隻眼の剣豪・柳生十兵衛……ではなく、その姉、矩香であった
  
朝鮮の暗躍に、将軍職を巡る幕府内の謀略が絡みあう大河な展開に
小野忠明VS柳生宗矩の将軍家武術指南役の地位を巡る心理戦が加わり
時代劇に珍しい女性剣士矩香が屈強な男達をバッサバッサと切り倒す痛快時代劇……なんだかほんと戦ってばっかりな印象
朝鮮妖術師の忍法もアッサリしたものだし、矩香を始め柳生一門が圧倒的に強すぎて真剣勝負の感が無い
 
史実の弄くりっぷりは面白いと思う
家光が男色家だったのは初恋の相手に操を立てていたからだ!とか柳生友景が陰陽剣士で朝鮮妖術師の日本侵入を感知して事件に首突っ込んできたりとか
この弄くり具合がまたたまらんのですが、メインのチャンバラよりこういう史実の曲解というが想像力を刺激して面白い、しかしこのはちゃめちゃ具合の中で『朝鮮侵略で日本に渡った朝鮮人の多くは奴隷階級で日本に渡ることを自ら望んだ』と重い史実を織り混ぜてくる
 
あとはこの想像力を形に出来たらいいねorz