蒼い海のトリスティア

レッツはいてない

l
廃れた海上都市トリスティアを川澄声の主人公が華麗に復興させていくADV、ナノカのアトリエ。
相方の犬が小杉十郎太で、直前にマナケミアやっていた身としてはウルリカとペペロンの愉快なやり取りを思い出してしまうw
 
ゲームの流れは
アイテムを研究→レシピ入手→開発→売り込み→研究…を繰り返し都市の復興度を高めること、行動はアイテムを開発だけにとどまらない。
"僕、都市復興させてるよ!"
とゲーム中のアクションに意義を感じることができるのだけど、これが面倒、アイテムを作ってそれを一つ一つの店を選択して売り込むのが非常にかったるい。
さらにいえば、ゲーム上必要なことはコレらの流れだけで、これ以外にできることはない。自由度は異様に低い。
特殊ED条件を満たせば特に都市の復興を続ける必要もなく、
ただひたすらアイテムを作るだけの単調なゲーム…とひとくくりにできてしまうのは、残念なところ。
この辺、アトリエがうまくやりすぎたのだとも思います。
 
絵に関して
下着規制へのコロンブス的反撃として生まれた"はいてない"
このゲームを一躍有名にしたワードだけど、確かにまったくはいてない
 
髪型やら乳の大小やらフェティシズムは中身でカテゴライズされるもの、下半身の装備も"ニーソ"だの"ハイソックス"だの形から入り、色の違いで更なる派閥の生まれる始末。
そんな中、登場する女性キャラを"生足"と統一したのはこつえーの強い主張であるのかw
 
雰囲気に関して、
ひねたところがなく、純粋な物を作る喜びを知る少女ナノカ。
彼女が挑む都市復興事業だけれども、そこに関わる人々はなかなかにシビア、特にとリスティアの司祭でナノカの後援者となるレイグレット。
自身の人生を賭けてトリスティア復興を進めるのだけれど、金はなく住民に気力はない、そこへ現れた類まれなる天才・ナノカ。(彼女の才能の高さは作中いたるところで強調される、帝都から来た富豪、ほかならぬレイグレット…周囲の期待と、そんなもの知ったこっちゃないナノカの純粋なキャラ性が魅力)
遅々として進まなかった事業が彼女の出現によって急速に進んでいく、レイグレットから見える僅かな無力感とナノカの才能を掘り出した自尊心、
トリスティアの復興とナノカを奪おうとするものへと向ける負の感情、とほのぼのとしたゲーム中の雰囲気でシリアスな部分を見せる箇所が多い。
そのこだわりの理由は終盤明かされる、伏線は張ってあるのだけど…。
(咳止めの薬とか、町の人のためとか言ってるけど、実際は自分の病状を隠すための個人的な依頼なんだろうなぁ、とか、思い返すと泣ける。)
 
話は面白いのだけれど、ゲームとしてのお勧めはできないところ。