SAW4

ソウ4 DTSエディション [DVD]

ソウ4 DTSエディション [DVD]

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暗い過去を持つ人間に『命の大切さを理解させる』『被験者の魂を救う』ため『ゲーム』を仕掛ける猟奇殺人犯ジグ・ソウ
過去三度事件を起こした彼ですが、自身の癌と、そして第三のゲーム(SAW3)の被験者によって殺害されました、第四のゲームの存在をほのめかして
SAW4は彼の検死のシーンから始まり、彼によって仕掛けられた第四のゲームの模様が描かれます
 
騙された、映画で久しぶりにスカっとだまされたよ!
やはり見るべきは構成の妙、過去と現在のゲームが入り乱れラスト5分のどんでん返しは1の衝撃の再来、は少し大げさかもしれませんがグロさに特化しスプラッタームービーになり始めていたシリーズを人為的に作られた極限状況に陥った人間の心理と、極限状況を人為的に作り出す人間の狂気を描くサイコホラーに引きずり戻す良作でした
今回のゲームのテーマは『執念』、誰を救うのか、誰かを本当に救えるのか、『誰かの命を握ったとき』『誰かに命を握られたとき』その人間の本性が現れる、ゲームというと『そいつは生きる価値の無い奴だが、自分のみを危険にさらしてでもそいつを救えるか?』と毎度問われるのですが、今回の被験者はどこかに閉じ込められたのでもなく命の危険が在るわけでもなく、精神的脅迫によってゲームに挑まされる、それもジグ・ソウ拠るものではなく自身で作り出した強迫観念というのがエグい(ジグ・ソウが間接的に被験者がソウなるように仕込んだと取れないことも無い、ただそうするとゲームの趣旨がずれてきだすきもする)
  
グロ描写はどうかなぁ、2・3よりは確かに減ったけどやはり高い
氷塊に頭をはさみ潰されたり、両目を潰されるか四肢を両断されるか選べと迫られるのはいやだなぁ
 
今回で精神科医ジョン・クレイマーがなぜ猟奇殺人犯ジグ・ソウと化したか語られたわけですが、1〜3までの登場人物が密接に絡んでくるため、物語の理解するには前作までの視聴は絶対条件
なんか連続ドラマみたいになってきたなぁ、以下超ネタバレ
見るなよ見るなよ!絶対見るなよ!
Inifintyに近いものあるかもしれないわけですよ今回のトリックは
まさか最初の検死がストーリー上の『最新の出来事』でSAW3とSAW4が『並行して行われたゲーム』だったとは、やられた、完全に騙された
時間差トリックは気付きにくいんだけどこうも美味く作ってくれるとすがすがしい
 
時間差トリックのほかには公式HPにも書かれている『原初に立ち戻ったクライマックス』
初っ端に鎖でつながれた二人の男、と1のゲームの再現のような新規ゲームを見せたこと自体が『1みたいに騙すよw』って伏線だったのかも、コレに加え登場人物の何気ない一言やある人物の名前、写真、ありとあらゆる場所で視聴者に気付かれないように伏線が張られていたわけです
そして1で嫌というほど語られた『ジグ・ソウはゲームを最前列で見ることを好む』という事実、こうして一挙に複線が回収されるさまは見事
そして姿を現す犯人は確かに1の再来でした
ゲームを見守るあいつが怪しい→見守ることこそが彼のゲームといったように視聴者の推測をあざ笑う演出が憎い、この映画は視聴者もジグ・ソウに踊らされている感覚が感じられるのが面白い